絵本

あおくんときいろちゃんとレオ・レオニ

わたしのさまざまな作品のなかで、
最高のできはこのページだと思っているんです。
※レオ・レオーニ 松岡正剛著「間の本 イメージの午後」

 

あおくんときいろちゃんはレオレオニの絵本デビュー作である。

 

すでにアートディレクターとしての地位を確立していたレオレオニ。

40代にして孫が2人いたが、それまで一緒に過ごす時間はすくなかった。

 

ある日、家族でデパートへ買い物にいったレオレオニ。

ほかの家族は買い物に時間がかかり、3歳・5歳の孫たちと一足先に帰ることになってしまう。

電車の中で孫2人と過ごすレオ。 孫たちは静かにしていられない。

子供に不慣れなレオレオニ。

はしゃぎ回る子どもたちには困ってしまう。

 

そんなとき、偶然持っていた「ライフ」誌を子供の気をひこうとする。

青と黄色と緑でデザインされたページをみて、ふとアイデアが浮かんだ。

「さあ、お話をしてあげよう」

 

「This is Little Blue, and this is Little Yellow

 

孫たち2人はお話にどんどん引き込まれていった。

いつの間にか周りの乗客もお話を聞いていた。

 

帰ってアトリエでダミーを作ったレオレオニ。

ほかの家族が帰ってきたときには

「僕たち本つくったんだよ !!」

と子どもたちが盛り上がって叫んでいたそうだ。

 

翌日の夜、食事に来た友人は子供の本の編集者になったばかりのファビオ・コーエン。

電車の中の出来事を聞いて、ファビオはこの本の出版をすすめる。

 

これが「あおくんときいろちゃん」のはじまりである。

 

 

「わかりやすくシンプルであるのは大切なこと。」

しかし、それはときとして勇気がひつようである。

余計なものを取り除き、シンプルにわかりやすく表現することにより、その作品や作者が価値のあるものかどうかがはっきりする。

 

こどもを引きつける絵本をシンプルに追い求めたレオレオニ。

出版から60年たった今日でも多くの子供達に愛されているこの1冊が

彼の作品の素晴らしさの証明となっている。

この本買った時のうちの子たちの年齢が3歳・5歳

レオがこの話を考えたときの孫たちの年齢も3歳・5歳

偶然の出会いに感謝。